【元禄九丙子年朝鮮舟着岸一巻之覚書】
・２００５年５月、隠岐・海士（あま）町の旧家・村上家の土蔵で発見された。１６枚綴り
・１６９６年、安龍福が隠岐に着いた際の調書である。
・隠岐島後駐在、松江藩士・中瀬弾右衛門が、石州（鳥取）藩御役所、山本清右衛門宛に送り届けたもの。

【本文】
「安龍福　午歳四十三。冠のようなる黒き笠　水精の緒。あさき木綿の上着を着　申し候。腰に札を壱つ着けし　申し候」

補足　札とは腰牌（民兵の認識票）で出身地、身分などが記されている。ここには、「出身地　東萊」　「私奴（＝賤民）」と記されている。　これは【竹島考】にも同様の記述が見れる。（下記）
『表面』
「長四尺一寸　面鉄髭暫生　疵無」「東萊 / 私奴　用卜　年三十三」
・身長１２４ｃｍ？（多分誤記）　当時の兵卒名簿を見ても五尺（１５０ｃｍ）以下の軍兵はいない。
・顔は赤ら顔で、やや髭が生え、体に疵は無かった。
・「東萊」・・・出身地は東萊（トンネ）
・「用卜」・・・本名は用卜
・「私奴」・・・賤民であった。
・「年三十三」・・・歳は三十三歳　腰牌が作られた時の歳。（安が連れて来られたのは元禄六年（癸酉）。癸酉は庚午から三年後。即ち、実際この時は三十六歳。
『裏面』
「庚午」「釜山佐自川一里 / 第十四銃三戸」
・「庚午」・・・腰牌が作られた年。西暦１９６０年
・「釜山佐自川一里」・・・居住地。　
釜山佐自川一里一帯には「釜山僉使営（せんしえい）」や「水軍萬戸営」等、軍施設が置かれていた。日本語を話せたというのは、近くに対馬藩の倭館が置かれているので、その関係が考えられる。

【本文】
「白米叺（かます）に三合程残り　申し候。若布三表、塩一表、干鮑一、薪壱〆・・・」

補足　鎖国政策の為、上陸は安易に認められず、数日間、船は隠岐の海で待機させられた。
乏しい食料に窮した安らは

【本文】
「飯米無之致　難儀候」　と援助を請うている。

補足　乗船者は１１名。もともと１３艘で東萊を出航、１２艘は竹島（鬱稜島）で、漁業と林業（竹の伐採）を行い、隠岐に来たのは安の乗った一艘だけ。

そして安の渡航目的は

【本文】
「伯耆守様江御断之儀在候」

伯耆守（ほうきのかみ）にお断りの儀がある。
しかし、同乗していた５人の僧侶がいたが、僧侶は

【本文】
「竹嶋見物を望みに付き、同道士候」

同じ舟に乗りながら、両者の言い分が違うため、取調べを行った中瀬弾右衛門は

【本文】
「不審尤成　儀に候」と残している。

安が訴えようとしたことは、（現代訳・要約）「竹嶋は、江原道東萊に属する鬱稜島という島である。私が持っている八道之図にも記されている」「松島は江原道の子山（于山）である。（これも）八道之図に記されている」

以上が、去年発見された安龍福等の調書である。ここで解ることは、明らかに安は朝鮮の役人ではなく「私奴」賤民なのである。現に、安は帰ってから流刑になっている。役人ならば流刑になるはずも無い。朝鮮側はこれも隠している。

まぁ、結局は伯耆守は江戸に参勤交代で不在だし、しかも、たかが一大名に領土を決める権限もない。そんなことしたら、藩おとりつぶしだ。ｗ

また、【辺例集要】には
「松島には大勢の人が住み、鬱稜島よりすこぶる大きい島」と証言している。たかが、０．２３平方キロメートルの島嶼がどうやって見ても鬱稜島より大きく見えるはずもない。

まさか朝鮮側では、この史料も見れないのか？
先祖代々、嘘吐き民族ということで。＾０＾