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【記事】
孫子は戦争で最も良い方法は戦わずして勝つこと(不戦而屈)と言った。 その最上策が
「伐謨」だ。敵の戦意を喪失させることだ。 その次が「伐交」、敵の勢力を味方に引き
込む方法だ。戦争をする「伐兵」は下策、防御だけをする敵を攻撃する「攻城」は下之
下策だ。
<略>
間諜は間者、諜者、五列、または細作と呼んだ。 西洋のスパイだ。細作は東西洋を
問わず、かなり昔から利用された。殷が夏を滅ぼす時には伊摯が、周が殷を平定する
時には呂牙が、それぞれ細作として潜入していた。
『日本書紀』には601年に「新羅(シルラ)の間者である迦摩多を対馬で捕らえた」という
一節が出てくる。日本の忍者は職業的細作だ。 大名から金を受け取って殺人、情報
収集などをした。旧韓末に明成皇后(ミョンソンファンフ)を殺害するなど、朝鮮侵略の
先鋒に立ったのも忍者だった。
赤壁大戦は情報戦の花だ。 魏が送った蔡中・蔡和の兄弟や、呉が曹操に偽りの投降
をさせた黄蓋・カン沢・甘寧は細作の一種だ。 連環計を率いたホウ統も魏としては殺し
たいほど憎い細作だ。その中の白眉は魏と呉が戦わせた諸葛亮。 細作の最高の役割
は‘隔岸観火’できるよう敵の内紛を助長することだからだ。「黄鶴楼で船が転覆するの
を眺める」という中国のことわざも同じ意味だ。
<略>
ハンナラ党の金容甲(キム・ヨンガップ)議員が李鍾ソック(イ・ジョンソック)統一部長官
を「朱蒙」の細作に例えたが、激しい反発を招いている。韓米同盟を崩そうとする北朝鮮
の意図に巻き込まれるのではないかという憂慮とみられる。しかしその表現が行き過ぎ
て意味のない感情対立に発展し、北朝鮮が隔岸観火するのなら、それも細作の役割を
果たしたことになる。