我々日本人の受けてきた歴史教育について紹介します。
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この本は「小学校日本史学習のカギ」と言う本です。
学校教師用の参考書です。
写真2
この本の帯部分です。
《「シリーズ 明るい社会」をテキストにイメージ豊かな日本史学習の具体的展開”板書もいれた100時間の指導計画”》と書かれています。
「板書」とは黒板に書くことで、黒板にどのように書く見本です。
この参考書では、授業の進め方から黒板の書き方まで書かれていて、
これを読めば誰でも教えることが出来るようになっています。
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初版発行1976年、第4版1979年です
この本を読むことで、いま大人になっている世代が受けた教育の断片が把握できます。
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著者の略歴です
北海道歴史教育者協議会副会長
歴史教育者協議会全国委員をしていた方の様です。
これ以降は内容です。どうやって子供に教育していくかが書かれています。
朝鮮について、一部を抜き出して見てみましょう。
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21 朝鮮_人の苦しみとたたかい(1/3)
■ 学習過程
1 日清・日露戦争をふりかえらせ、どちらも朝鮮をねらった戦争であったことをあらためて認識させる。
2 物語を読んだ感想を発表させる。
3 朝鮮の 「保護国」化と義兵運動について話しあう---日露戦争後、日本は朝鮮をどうしたか。朝鮮統監になった伊藤は何をしたか。義兵運動とはなんだろう。彼らはなぜ立ち上がったか。(板書A)
4 朝鮮併合について話しあう---朝鮮_人たちは併合を望んでいたのだろうか。石川啄木の歌にほどんな気もちが込められているか。(板書B)
5 朝鮮総督府の政治について話しあう---総督府が軍隊や警察の力で押さえつけたのはなぜか。総督府が朝鮮語や朝鮮の歴史の教育を抑えたのはなぜか。総督府は朝鮮_人の土地をどのように取り上げたか。(板書C)
6 土地を追われた朝鮮_人の生活について話しあう---土地や職を失った朝鮮_人はどうしたか。彼らは日本でどんな生活をしなければならなかったか。義兵運動はどうなったか。(板書D)
■ 指導上の留意点
1 朝鮮_人に対する日本人の偏見にはまだまだ根づよいものがあり、子どもたちがその影響をうけている場合もある。その点を考えながら学習をすすめたい。
2 在日朝鮮_人が多いことを学習と結びつけたい.
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65 朝鮮_人の苦しみとたたかい(2/3)
■ 学習過程
1 日本の朝鮮支配と義兵運動を中心に前時の復習をする。
2 日本や中国にながれていった朝鮮_人たち、また、故郷に踏みとどまった人たちの気もちについて話しあう.
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三・一人民蜂起の始まりについて話しあう---一九一九年三月一日、ソウルでは何が行われたか。朝鮮_人青年の読んだ独立宣言にはどんなことが書かれて
いたか(彼ひとりが突然やったことか)。多くの朝鮮_人はこれにどう答えたか.朝鮮_人たちはどんな気持でデモ行進をしただろう.(板書A)
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三・一人民蜂起の広がりと、日本の弾圧について話しあう---ソウルのデモ行進に対して、日本軍や警官は何をしたか.三・一人民蜂起はどのように広がった
か(朝鮮_人は各地でどのように戦ったか)。日本政府はこれをどのように弾圧したか.その後、朝鮮_人の独立運動はどのように続けられたか.(板書B)
5 朝鮮_人が命がけで立ち上がったのは何故か話しあう(班の話しあい→全体の話しあい)。その中で、民族の独立の重大さに気づかせる.
■ 指導上の留意点
1 第一次世界大戦後の民族独立運動の世界史的な高まりにまでは触れない.
2 朝鮮_人民革命軍の.ハルチザン闘争は一五年戦争のところでも出てくるので、ここでは伏線をはっておく程度でよい.
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ここは参考図のみです。前の図と共に、子供に書かせたもののようです。
上の絵は「死ね日本」「日本人を倒せ」と書かれています。
下は「日本人をやっつけろ」という題名の詩です。
これが参考資料とされています。
我々は、このような教育を受けていたのですね。
少し驚きました。