漢代の印綬制度では、銅印は中小国家の王や夷蛮の小君長などに与えられる。一方、金印はそれより格上、夷蛮の地域の中心的王者(と中国側が見なした者)に与えられた。
漢王朝に仕える諸侯(内臣)は、黄金印に亀の紐。異民族の国家で漢に臣従したもの(外臣)で、北方民族には駱駝や羊の紐、そして東夷南蛮の王には蛇紐の金印が下賜された。
★図1.氐族
「晋帰義氐侯」の羊鈕の金銅印(甘粛省西和県出土)
★烏丸族や鮮卑族
「晋烏丸帰義侯」銅印(内蒙古自治区凉城県出土)
★趙族
「帰趙侯印」の銅印
★図2.匈奴族
「漢匈奴悪適尸逐王」の銅印
(「匈奴」は漢や新にとって、友好的というよりも、脅威となるべき最大の敵だった。後に、漢は匈奴を兄弟国と扱い、印文には「漢」を冠しなかった。従属関係を表現しない為だ。そして、「璽」という最高の印を送った。)
★羌族
魏率善羌邑長」駱駝(らくだ)鈕の銅印
★漢族★
◎皇帝は虎鈕(こちゅう)の玉璽
●皇太子や列侯・丞相・将軍などは亀鈕(きちゅう)の金印
図3.関中の候王の金印
●テン王の鈕金印
●中級官吏は亀鈕銀印
下級官吏は鼻鈕(びちゅう)銅印とされ、綬(じゅ)(紐(ひも))の色も皇帝の朱綬(しゅじゅ)か
ら黄綬まで細かく決められていました。
馬鈕銅印
辟邪鈕銅印
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